良い太陽光発電所物件をどの基準で選べばいいのか

アキヒコ
(ファイナンシャルプランナー/会社員)
年間150世帯の家計相談を行っているFP(ファイナンシャルプランナー)。
MDRT COT会員。
相談内容は、家計管理・教育資金・住宅・保険・相続・資産運用など多岐にわたる。

今回は、どのような太陽光発電所が良く、どのような発電所が悪いのか、発電所選定の基準についてお伝えしたいと思います。

「投資の目的はできるだけ大きな利益を得ること」

色々なお客様と商談しておりますが、物件選びの際に重要視なさっているポイントは「FIT単価(固定買取単価)」「利回り」が圧倒的に多いです。

次に「販売価格」「賃貸か分譲」「所在地」というような項目が続きます。

要望を一通りお伺いしてから、「この投資でいくら儲けたいですか?」と伺うと、「額はわからないですけど、できればできるだけたくさんです。」と答えられる場合が多いです。

まさにその通りで、投資ですから、たくさん収益を上げていただきたいのです。

「20年間の最終手残り金額」

上記は、弊社がお客様にご案内する物件リストの一例です。通常は全国の優良物件を10基前後リスト化して提案しています。

一番右側に、赤に白抜き文字で「最終手残り金額」という項目があります。

この金額は、20年間の売電金額と消費税還付額から、すべての経費(設備費用、メンテナンス費用、税金、ローン金利など)を差し引いて残る20年間の利益額です。

頭金なしのフルローン均等180回払いを前提とした手残り金額ですので、頭金を入れた場合、支払回数を短くした場合、途中で前倒し返済をした場合などは、さらに手残り金額は増えていきます。

つまり、【1】の物件を買った場合の最低限の利益=最終手残り額は1352万円ということです。

この最終手残り金額の一番大きい物件からお客様にお勧めしています。

なんで「FIT単価」「利回り」じゃないのか?

例示した2物件の場合、やはり目立つのは【1】のFIT32円です。
最近はなかなかお目にかからなくなりました。

逆に32円だったりすると、「何でまだ残ってるの?山影とか、土地造成が緩いとか、何か理由があるんじゃないの?」と勘繰ったりします。

これは、弊社が実際に最近お勧めした物件なので、もちろん優良物件です。

2物件の主な項目を比較します。

  物件1 物件2
販売価格 28,801,252円 21,170,000円
FIT 32円 18円
Kw 57.6Kw 91.5Kw
利回り 10.35% 9.50%
土地賃料 15万円/年 1万円/年

【1】は販売価格が770万円ほど、FITが14円、利回りは0.85%高いです。
【2】はKw(容量)が1.59倍大きく、20年間の土地賃料を考慮すると280万円も安いです。

<最終手残り金額比較>
【1】13,520,251円 【2】9,673,187円

最終手残り金額は【1】が約390万円多いため、販売価格は770万円ほど高いですが、手残り金額が多い【1】をまずお勧めします。

投資効率から行くと、【2】のほうが良いのですが、私は一番多く収益を上げられる物件をお勧めしており、通常は毎月のローン返済額は、毎月の電力会社から振り込まれてくる売電金額の中からお支払いできる物件をお勧めしています。

お客様がローン返済のために資金を準備する必要がなく、ローン返済が毎月進んで行くのです。

結論として、「まずどこを見て物件選択を判断するか?」という答えは、「最終手残り金額」です。

項目ごとの見方について

まずFIT単価とKw(容量)の関係ですが、一般的には、今よりFIT単価が高い数年前の物件の発電容量より、FIT単価が下がってきた最近の物件のほうが、技術革新による発電効率の向上により発電容量は高いです。

また、20年間毎年かかるメンテナンス費用の額、土地の分譲価格や20年間の賃貸料によっても手残り金額は大きく異なってきますので注意が必要です。

前述の2物件の例はかなり極端ですが、年で土地賃料が14万円違うので、20年では280万円もの差があります。

FITが高くても、総容量が低く、メンテナンス費や土地にかかる費用が高ければ、最終手残り金額は少なくなります。

利回りはもちろん高いことに越したことはありませんが、業者ごとに計算方法が違うので、ここはよくご注意ください
土地代が含まれての計算だったり、含まずの計算だったりというようなことはよくあります。

弊社の紹介物件は、統一基準で分かりやすく揃えてご案内いたします。

まとめ

物件の概要には色々な項目がありますが、購入物件のローンご返済にご自分の手出し金額が発生しない以上、なるべく大きな利益が残る「手残り金額の大きな物件を選ぶ」ことを弊社はお勧めしています。

もちろん、最初の1基は少し小さめの物件でスタートして様子を見てみたい、というお客様には金額感の合う物件をお勧めしています。

売電開始後、数か月見て頂くとわかりますが、必ずシミュレーション通りに運用が回っていきます。
その際に、自信をもって2基目は大きな物件でも大丈夫です。必ず満足のいく物件をご案内します。

次の章では、弊社にお付き合いいただき太陽光発電投資を始めて頂いたお客様に、「投資利益額」+「節税額」のメリットに加えて「もうひとつ」のメリットをご案内したいと考えています。

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