アキヒコ
(ファイナンシャルプランナー/会社員)
年間150世帯の家計相談を行っているFP(ファイナンシャルプランナー)。
MDRT COT会員。
相談内容は、家計管理・教育資金・住宅・保険・相続・資産運用など多岐にわたる。
「太陽光発電投資が儲かる時期は終わったと思ってた。」
初めてお会いする太陽光発電投資初心者のお客様には、太陽光発電投資についてのイメージをお聞きするのですが、多くの方がこのように思ってらっしゃいます。
「年々、発電した電気の買取金額が下がっている」
経済新聞などには目を通す程度でしたので、何となくこのくらいのことが頭に入っていて、細かいことはわからなくて漠然と思っていました。
何を隠そう冒頭のフレーズは、私をこの業界に誘ってくれた友人に対して、私がした発言そのものです。
「お前、全然わかってない(笑)」
それに対しての友人の答えです。
そうなんです、全然わかっていないまま、勝手に間違った思い込みをしていたのです。
今回は、どんなことを間違えて思い込んでいたのかを踏まえて、今の太陽光発電投資の正しい現状をお伝えします。
固定買取価格制度のこと
最初に、固定買取価格制度について詳しく説明します。
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者(=電力会社)が買い取ることを義務付ける制度です。
正式には「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法=Feed In Tariff)といいます。
その制度をもとに、主に投資家向けに販売されることが多い発電容量が10kW以上の太陽光発電所で発電された電気は、20年間(240か月)にわたり、電力会社が固定買取価格にて全量を買い取ることが義務付けられています。
固定買取価格とは、発電された電気1kWhあたりの買取単価です。価格は毎年1年体位で見直されてます。
下記は10kW以上の産業用太陽光発電所の2012年の制度スタート時からの固定買取価格の推移です。
※金額は税別です。売電時は税込価格で売電することが出来ます。
2012年 → 40円
2013年 → 36円
2014年 → 32円
…というように2012年のスタートから毎年見直され、近年では…
2017年 → 21円
2018年 → 18円
2019年 → 14円
…と、最初の年の40円から現在は14円にまで下がっています。
恐らく2019年の14円でこの制度は終了すると言われていますので、投資として活用可能な太陽光発電所は、2019年の14円の単価で認定された発電所を最後に、これ以上は増えないと想定されています。
ここで、勘違いが多いのですが、例えば、2012年に太陽光発電設備としての認定を受けた発電所には、1kWhあたり40円の売電単価で20年間売電できる権利が与えられます。
この発電所が翌2013年に売電を開始した場合、2032年までの20年間(240か月)は、1kWhあたり40円の単価は変わることなく売電が可能です。
同様に、2019年に14円の売電単価で認定を受けた発電所は、2020年から発電を開始すれば、2039年までの20年間は14円の売電単価で売電することが出来ます。
ある発電所での売電単価が、20年の売電期間中に毎年下がっていくのではありません。
太陽光発電設備の認定を受けた年によって、その発電所が20年間売電できる売電単価が決まるということです。
太陽光発電所を選ぶ際に、いくらの固定買取単価の発電所を選ぶかによって、20年間の売電単価は変わらないということです。
売電単価が下がっているのになぜ儲かるの?
では、この制度が発足した当時は40円だった単価が、直近では14円にまで下がっているのに、なぜ太陽光発電投資は利益が出ているのでしょうか。
大きな理由を挙げると下記の2点です。
・太陽光パネルの発電性能が飛躍的に向上
・太陽光パネルや架台のコストが大幅削減
売電単価が下がっているのに、それをほぼ補うほどの太陽光パネルの目覚ましい発電性能の向上とコストの削減が大きく収益性を向上させています。
パネルの性能が飛躍的に上がっていく一方で、海外メーカーも技術的に追いつき、日本メーカーが太刀打ちできない価格で、大量にパネルを生産して市場を席巻する状況が太陽光発電の業界でも起こってます。
いまや市場の9割方以上は、海外メーカーの高品質、高性能で低価格な太陽光パネルが使用されています。
さらに、建設部材や工事費等も当初とは比較にならないコストダウンが図られています。
これらのことから、太陽光発電投資は、今でも表面利回り10%前後という、安定した投資商品の中では他に類を見ない高利回りを維持できているのです。
買取単価が下がったことは知っていても、その一方でパネルの性能UPやパネルや建設費のコストダウンが起きていることを一切知らずに、「太陽光発電投資は終わった」と勝手に思い込むのは当然です
「安定していて堅い投資なのに表面利回りは10%前後」
太陽光発電投資は実はまだまだ魅力ある投資商品でありますが、利回りの数字だけなら10%程度の投資商品は他にもあります。
しかし、それらの投資商品は高利回りの反面、残念ながら高いリスクも同時に伴っているのが現状です。
太陽光発電投資がそれらの投資商品と違うのは、高い利回りに加えて、「安定して堅い低リスクの投資商品」です。
このように高利回り低リスクの投資商品が、太陽光発電投資以外には他に見当たらないので、太陽光発電投資のメリットを知った投資家の皆さんは、出来るだけ数多くの太陽光発電所の保有を検討されています。
・固定価格買取制度について
・買取単価が下がっても、投資としての高い利益が見込める理由
弊社では、例えば18円の売電単価で販売価格2,000万円前後の発電所を、頭金なしのフルローン均等180回払いで購入して頂いた場合、すべての経費を差し引いた20年間の最終手残り収益が1,000万円を超えるような優良物件を多数取り揃えています。
全国の優良な太陽光発電所販売事業者から提供頂いた優良発電所物件を多数保有しています。
次の章では、良い太陽光発電所はどうやって選ぶのか、という点について、私の視点や考え方をお伝えします。